「クールジャパン・マッチングアワード2019 表彰式」開催
「クールジャパン・マッチングアワード2019 表彰式」は、新型コロナウイルスの感染対策により、去る3月10日(火)開催予定から延期しておりましたが、10月22日(木)に受賞者・贈賞者のみの参加、オンライン中継による観覧にて開催いたしました。
「クールジャパン・シンポジウム2020」開催
「クールジャパン・マッチングアワード2019 表彰式」と同日に、 「クールジャパン・シンポジウム2020」をオンライン生中継にて開催しました。シンポジウムの記録は下記、YouTubeチャンネルにて後日公開予定になります。
◆ 「クールジャパン・シンポジウム2020」記録映像◆
クールジャパン戦略: 内閣府 知的財産戦略推進事務局 公式YouTubeチャンネル
- 開催趣旨
- 食やアニメなど日本の魅力の間口の広さを活かして多くの外国人の関心を引き出し、「深み」を見せ、分野、地域、海外等との連携によりクリエイティブな活動を生み出し、世界の「共感」を得て日本への愛情を有する外国人(日本ファン)を増やしていくことは、「クールジャパン(CJ)戦略」※を進めていく上で重要です。
クールジャパン・マッチングアワードでは、日本の魅力を深掘りし、分野や地域、海外との連携で、世界の「共感」を得た優良な取組を募集、表彰します。
当該イベントが国内外のCJに関心のある方々にとって、日本の魅力を深掘りし、「CJ戦略」の理解を深め、ネットワークを拡大する場となることを期待しております。
※クールジャパン戦略(令和元年9月3日決定)クールジャパン戦略 - アワード
表彰 - 令和元年11月28日(木)~12月25日(水)の間、分野や地域の魅力を深掘りし、他分野等と連携した取組を募集、応募いただいたアワード候補事例を、「CJ戦略」が目指す姿である、世界の「共感」を得ることを通じ日本ファンを増やすという前提を踏まえ、世界に伝わるストーリーや世界へ訴求し得る取組であるかという観点から、クールジャパン官民連携プラットフォームのアドバイザリーボードメンバーを含む有識者や日本の魅力に理解が深い外国人等からなる審査員が選考した、アワード等の受賞者を発表し、表彰します。
クールジャパン・マッチングアワード2019
受賞結果
概要
「歌舞伎」をテーマにした機内安全ビデオを、17カ国対応の字幕付きで2018年12月から上映(国際線は2019年1月から)。ANA便をご利用いただく世界中のお客様に、安全の重要性をご理解いただき、安全ビデオを視聴いただく効果を高めると同時に、ANAのブランドと日本の文化をお伝えする機会となっている。
https://www.anahd.co.jp/group/pr/201811/20181116.html
受賞者コメント
全日本空輸株式会社
この度、歌舞伎をテーマとした機内安全ビデオが松竹株式会社と共同でグランプリを受賞したことは大変名誉なことであり嬉しく思っております。
「歌舞伎」をテーマに取り入れることで、お客様に機内での安全に関わる大切な情報をより分かりやすく確実にお伝えするとともに、海外のお客様には日本の伝統芸能・文化にふれていただき、また日本のお客様には歌舞伎の素晴らしさを再認識していただく機会となればと思っております。
ANAは今後も、「Inspiration of Japan」のブランドコンセプトのもと、クールジャパン活動を盛り上げ、日本の魅力を世界に発信することで、日本経済のさらなる発展に貢献してまいります。
大臣コメント
竹本 直一 内閣府特命担当大臣(クールジャパン戦略)
グランプリを受賞された全日本空輸株式会社及び松竹株式会社の関係者の方々に、心よりお祝いを申し上げます。
「歌舞伎がテーマの機内安全ビデオ」は、機内の安全に関わる情報等を説明する「機内安全ビデオ」と日本の伝統芸能「歌舞伎」という、全く異なる分野のマッチングであり、機内安全ビデオについて、乗客に興味を持って見てもらうための工夫であると承知しています。
この機内安全ビデオは、外国人の乗客に対し、搭乗直後から日本の伝統文化に触れる機会を提供し、日本への興味・関心を深めてもらうきっかけになるものです。また、日本人の乗客にとっても、日本の伝統芸能の素晴らしさを再認識してもらう機会になるものと考えています。
全日本空輸株式会社及び松竹株式会社の関係者の方々の柔軟な発想に敬意を表するとともに、今後とも、幅広い分野における連携強化や新たな価値の創造を続けていただくことを期待しております。
審査員コメント
夏野 剛 審査委員長(慶應義塾大学大学院 政策・メディア研究科 特別招聘教授)
当作品は、機内安全ビデオというもっともエンターテインメント性を追求しにくい素材について、創意工夫を活かし、歌舞伎という日本の伝統芸能の要素をふんだんに取り入れ、かつ、安全周知という機能を全く損なうことなく、非常に完成度の高い作品であると評価します。特に歌舞伎特有の所作が至る所に散りばめられていながらも、まったく違和感なく、かつ安全確保のメッセージ性が失われることない作品に仕上がっていることは、大いに評価に値すると考えます。乗客が必ず見ることになるコンテンツであり、国籍も年代も文化背景も異なる人々が日本の伝統芸能の良さを実感しながら、同時に安全意識を高められるという本作品の実現には、大変な知恵と困難が伴ったと推測し、関係者の皆さまに敬意を表するとともに、ここに表彰したいと思います。
概要
デジタルテクノロジーで、パラスポーツの楽しさや魅力を伝えるために開発したCYBER SPORTS。2019年のアップデートで、未来の東京をVRで駆け抜けるCYBER WHEEL X(サイバーウィルエックス)は有人対戦可能に、ポイントを自動で計測するCYBER BOCCIA S(サイバーボッチャエス)はモニタやスクリーンで明るい屋外でも多くの人が同時に観戦可能に。
受賞者コメント
株式会社ワントゥーテン 代表取締役 澤邊 芳明
東京オリンピック・パラリンピックの招致が決定した2013年。国内における大多数のパラスポーツに対する認識は福祉スポーツやリハビリの延長でした。
私は自らが車椅子利用者であり、デジタルクリエイティブカンパニーを率いる経営者として、パラスポーツの認知度を向上させ、魅力を伝えることでファンを増やすにはどうすれば良いか、多くの仲間や企業とともに考え、取り組んできました。
それをこのように評価していただき大変嬉しく思っています。
審査員コメント
コチュ・オヤ 審査員(株式会社Oyraa 代表取締役社長)
日本に行ったことのない方にも体験型ゲームを通じて、日本各地の魅力的な場所・モノが紹介できることは「CYBER SPORTS(サイバースポーツ)」の強みであると思います。東京などの有名なスポットはもちろん、各都市や地域に対しても、日本発のコンセプトものがコンテンツとして幅広く導入されることを期待します。また、「車いす」がポジティブな体験となり、障害者とそうでない人の距離が縮まることは心強いポイントです。今後も成長が見込まれるeスポーツ分野により力を入れていただき、業界トップの事例となって欲しいと思います。
概要
イラスト印鑑通販店「痛印堂」は、これまでに100作品を超えるライセンスのキャラクターを彫った印鑑を開発、販売。キャラクターや自動車などのライセンスを用いた印章企業としては最大手。「痛印」は名前を入れることで、銀行などの公的機関での利用実績が多数ある。海外からの注目度も高く、アーティストや著名人とのコラボも多数展開している。
NISSAN GT-R
進撃の巨人
「進撃の巨人」製作委員会
[新編]叛逆の物語
Madoka Movie Project Rebellion
https://www.tosyo.co.jp/movie/
受賞者コメント
TOSYO株式会社
このたびは大変名誉ある賞を賜わりましたことに、心より感謝致します。「痛印」は2012年にサービスを開始し、自動車やアニメなど、様々なコンテンツとのコラボレーションを実現してまいりました。新しいジャンルの「痛印」という商品にご理解を賜りご協力頂いた連携先様にも感謝申し上げるとともに、今回の受賞を励みとし、今後も「痛印」を通じて世界の人々に日本文化や歴史を発信するべく、取り組んで参ります。
審査員コメント
ジャスティン・ポッツ 審査員(株式会社ポッツ家プロダクションズ 代表取締役)
非常に日常的、とても身近なものの表現力を根本から考え直されたことで数多くの新しい連携が生まれ、ある日本の伝統がさらに数多くの人たちの個性を楽しく表現できるツールに生まれ変わりました。これからこのツールがどこまでのジャンルに行き渡るのか?それ見るのをとても楽しみにしております。受賞おめでとうございます。
概要
日本各地の伝統文化と先端のクリエイティブやテクノロジーと掛け合わせ、日本庭園や史跡等の夜の魅力を「和」のテイストで引きだす「夜会 by 1→10」を、2019年に東京の旧芝離宮恩賜庭園と名古屋城で開催。
江戸秋夜会 by 1→10 〜旧芝離宮恩賜庭園〜
https://yakai.1-10.com/
名古屋城夜会 by 1→10
http://yakai.jp/nagoya/
受賞者コメント
株式会社ワントゥーテン 代表取締役 澤邊 芳明
21世紀に入り、我々は高度に工業化、効率化された社会の中で可処分時間を増やしています。しかしその一方、退屈という課題を生み出しました。
そこに行けば、歴史が学べ、継承された文化を知ることができ、そして、その地域の食を楽しむことができる。それが夜会プロジェクトのコンセプトです。
これを通じて、我々は退屈という課題を解決したいと考えています。
今回名誉ある賞を頂き、大変嬉しく思っています。
審査員コメント
梅澤 高明 審査委員(A.T. カーニー 日本法人会長)
『五感で愉しむ和の集い』をコンセプトに、伝統と革新を体現。インバウンド観光のさらなる拡大には体験消費とナイトタイムエコノミーの充実が急務ですが、その先行事例と言えます。
ユニークベニュー(旧芝離宮恩賜庭園、名古屋城)、地元の食、テクノロジーを駆使したエンターテインメントを組み合わせたイベントの企画と制作のクオリティ、そして国内外での話題性を高く評価します。
概要
上海のFMラジオ局との共同制作により、日本の最新の音楽・トレンドと上海の最新情報を伝える全編中国語の番組を、2017年から上海と東京で放送し、現在も継続中。
https://weibo.com/u/1738376280
受賞者コメント
株式会社ジャパンエフエムネットワーク
なぜ、ラジオが音楽家から愛されるのか。それは自らの作品をそのまま伝えられる唯一のメディアだからだと会社の先輩から教わったことがあります。この番組は大都市「上海」の夜にJ-POPがそのまま流れます。中国進出とかデビューとか煩雑な手続きなくとも中国人の心に直接届けることができます。
当番組は2017年「日中国交正常化45周年」をきっかけに始まりました。立ち上げに関わった数多くの先輩方と受賞の喜びを分かち合いたいです。
審査員コメント
梅澤 高明 審査委員(A.T. カーニー 日本法人会長)
現代の都市観光のキーワードは「ローカル」と「オーセンティック」。従って、観光を意識し過ぎずにリアルな日本の姿を海外に伝えるメディアは重要です。
この番組は、上海・東京それぞれの制作チームが持ち寄った情報を合体させて制作するという斬新な番組フォーマットを持ち、新しい文化交流・魅力訴求のアプローチを提示しています。かつ、上海という訪日観光の重要市場で、人気ラジオ局のゴールデンタイムで2年半にわたり放送されている実績を高く評価します。
概要
雑誌社と工務店と地元が共同で、商店街や町家をホテルに再生し、2018年にオープン。滞在する人に地域の良さを知ってもらうメディア型ホテルとして運営し、地域の活性化に貢献している。
受賞者コメント
株式会社自遊人
この度は、栄えある賞をいただき誠にありがとうございます。いつも宿泊者を温かく迎えてくださる、商店街をはじめ、地域の皆様の支えに深く感謝します。
これからも、地域の魅力を発信するメディア型ホテルとして精一杯頑張ってまいります。
また、全国で年々姿を消していく町家が少しでも保存・再生され、日本の昔ながらの風景が残っていくように願っています。
審査員コメント
アストリッド・クライン 審査員(株式会社クライン・ダイサム 代表取締役)
空き家を宿泊施設にするプロジェクトは各地で試みられている取り組みですが、このプロジェクトは商店街との連携で地域全体の「オーセンティック」な魅力を掘り下げて発信するプロジェクトになっています。
海外からの視点を取り入れた企画で個々のデザインのクオリティは高く、再生プロジェクトがラグジュアリーのレベルになり得る可能性を強く感じました。
日本は地方都市の個性を活かし魅力的にしていくことにまだまだ大きな将来性があると思います。
概要
「下北ジオパーク」に指定された仏ケ浦等の地域の景観・風土に、食の魅力を加えるガストロノミーによる新たな観光の開発を2018年にスタートさせた。
https://gururin-shimokita.com/geo
受賞者コメント
一般社団法人 しもきたTABIあしすと
この度は、素晴らしい賞を頂きありがとうございます。この取組みに関わって頂いた全ての皆様に感謝申し上げます。本州最北端の下北半島を端的に表現するならこれしかない、という思いで取組んでまいりましたが、図らずも、今回このような形で評価して頂きましたことはこの上ない喜びであります。皆様、これを機に、是非下北半島にいらして頂き、世界でここだけの下北ジオガストロノミーを五感で体現して頂ければ幸いです。
審査員コメント
楠本 修二郎 審査員(カフェ・カンパニー㈱ 代表取締役社長)
このプロジェクトは、地味かもしれない。無名かもしれない。しかし、これから先の日本を考えるとき、人口や社会構造的にも地方が主役となる魅力を国民全体で見つけていくべきです。下北半島は、本州の最北端。だからこそインバウンド観光に呼び込むことができれば、その前後のプロセスで宿泊数も増え、他地域への波及効果も大きくなります。秘境は人を惹きつけます。だからこそ、日本中にデスティネーションを増やし、海外に発信する意義は大きいのです。
概要
日本各地の風土が培った織や染などの技法による作業着を、アパレルに生かしたローカルウェアを発売。産地の生活、文化を伝えるツアーなども、自社の地元の新潟県から、岩手県に展開している。
https://www.snowpeak.co.jp/sp/localwear/
受賞者コメント
株式会社スノーピーク
この度はLOCAL WEARのプロジェクトで「特別賞」をいただいたこと、大変光栄に思っております。
まずもって、審査員の方々に心より御礼申し上げると共に、同プロジェクトに関わっていただいた地方産地の皆様に感謝致します。
LOCAL WEARは、燕三条の地域産業のプラットフォームとして60年以上尽力してきたスノーピークだからこそできる、「もの(衣類)を通じた本質的な体験価値」の提供です。地域の方々とユーザーとを直接つなげ、ともに地域文化や産業への理解と共感を生み出せたことを何より嬉しく思います。これからも自然、ひと、地域のために価値提供をし続けてまいります。
審査員コメント
ローレン・ローズ・コ―カー審査員(ZAIKO㈱ 取締役 COO 兼 FUGA Japan Business Development Representative)
「LOCAL WEAR by snow peak」を見た際に感動しました。海外の著名なデザイナーとコラボすることで古いものを再発掘するのではなく、日本の昔ながらの魅力的な文化をありのまま美しく蘇らせることに成功しています。私も含めて日本に来る外国人が探している「オーセンティック」の日本のプロダクトです。加えて、日本企業の多くが苦手としているマーケティング面もしっかりとしており、インパクトのあるキャンペーン写真や動画も素晴らしかったです。
大臣総評
(クールジャパン戦略)
クールジャパン・マッチングアワードの各賞を受賞された皆様、このたびは、本当におめでとうございます。
クールジャパンの取組を進める上で、異業種間、地域内、地域間における連携が重要です。これら連携を促すため、2016年度以降、「クールジャパン・マッチングアワード」を開催しており、今年で4回目になります。
全64件に及ぶ応募プロジェクトの中から、民間有識者による厳正な審査を経て、受賞作として8件が選定されました。これら受賞作は全て、日本の魅力の本質を踏まえつつ、異業種間等の連携を実現した素晴らしいプロジェクトだと考えております。
今回のマッチングアワードが単発のイベントに終わることなく、幅広い横連携を促し、クールジャパンの強化につながるよう、内閣府としても適切な発信等を工夫してまいりたいと考えております。最後に、ご協力いただいた審査員の方々や応募していただいた方々に感謝申し上げ、私からの総評といたします。
審査委員長総評
夏野 剛 審査委員長(慶應義塾大学大学院 政策・メディア研究科 特別招聘教授)
今回で4回目を迎えるクールジャパン・マッチングアワードですが、初期にはクールジャパン性を意図的に強く打ち出す作品が多かったのに対し、今回はクールジャパン性が「板についた」作品が多かったと感じます。つまり、日本的な文化、コンテンツ、テクノロジーといったものを「自然に」作品性やサービスの中に組み込んでいると評価できる応募作品が多かったと感じています。クールジャパンという概念が各産業に定着し、さまざまなモノ・コトの中に自然に組み込まれていくということは、我々クールジャパンに携わってきた審査員にとっても、非常に喜ばしく、そして誇らしく思うことであります。今回も素晴らしい作品を応募して頂いた皆さま、日本のクリエイティブ産業を支えるすべての皆さま、そしてこれまでクールジャパンに関わってきたすべての関係者の皆さまに賛辞をお送りします。
審査員
審査委員長
夏野 剛
慶應義塾大学大学院 政策・メディア研究科 特別招聘教授
審査員
梅澤 高明
A.T. カーニー 日本法人会長
コチュ・オヤ
株式会社Oyraa 代表取締役社長
楠本 修二郎
カフェ・カンパニー㈱ 代表取締役社長
アストリッド・クライン
株式会社クライン・ダイサム 代表取締役
ローレン・ローズ・コ―カー
ZAIKO㈱ 取締役 COO 兼
FUGA Japan Business Development Representative
ジャスティン・ポッツ
株式会社ポッツ家プロダクションズ 代表取締役
◆ 主 催:クールジャパン官民連携プラットフォーム
◆ 後 援:クールジャパン機構/日本貿易振興機構(JETRO)/日本商工会議所/東京商工会議所/映像産業振興機構(VIPO)
◆ 事務局:内閣府知的財産戦略推進事務局